標高の高い地域を旅するとき、私たちの身体は平地では経験できない負担を受けます。
ペルーのクスコ(標高3,400m)、ボリビアのラパス(標高3,600m)、コロンビアのボゴタ(標高2,600m)、ヨーロッパ・アルプスのツェルマット(標高1,600m)やユングフラウヨッホ(標高3,454m)など、世界中に「高地の観光地」は存在します。
絶景や雄大な自然を満喫できる一方で、高山病や消化器トラブルなど健康面のリスクがつきまといます。ここでは、高地旅行を快適に楽しむための体調管理方法を詳しく解説します。
高山病対策標高2,500m以上で注意

日本で生活しているとお余り馴染みのない高山病ですが、海外旅行の目的地によっては気を付ける必要があります。
高山病とは

標高2,500mを超えると空気中の酸素が薄くなり、身体が低酸素状態に適応するまでに時間がかかります。典型的な症状は次の通りです。
- 頭痛・ふらつき
- 吐き気・食欲不振
- 倦怠感・脱力感
- 睡眠障害
多くの場合は24〜48時間で軽快しますが、まれに重症化(高地脳浮腫・肺水腫)することもあります。
発症しやすい条件
以下のような条件で高山病が発生しやすいとされています。
1.睡眠不足や疲労を抱えた状態での移動
2.海抜0mから急に高地へ移動するケース
3.脱水状態(長時間フライト後など)
4.個人の体質(高山病にかかりやすい体質)
予防法
・薬物による予防
ダイアモックス(アセタゾラミド)が一般的。渡航前に医師へ相談。
・行動での工夫
初日は軽めの行動にとどめる
水分を1日2〜3リットル摂取
アルコール・過食を避ける
睡眠を十分にとる
症状が出た場合の対処
- 安静にして無理な行動を避ける
- 水分補給をこまめに行う
- 必要に応じて薬を服用
- 酸素スプレーやホテルの酸素ボンベを利用
- 重症化が疑われる場合はすぐに下山・医療機関を受診
食あたり・水あたり対策高地・低地共通のリスク

高地の都市(クスコ・ラパスなど)だけでなく、熱帯地域(アマゾン・カリブ沿岸など)や登山地域でも、水や食べ物による消化器トラブルは旅行者に多く見られます。
注意すべき食品・飲料

- 水道水(歯磨きもボトルウォーター推奨)
- 氷(製氷過程が不明なものは避ける)
- 生野菜やカットフルーツ(洗浄水が不明)
- 生魚介(例:セビーチェなど)
- 露店の食品(調理・保存環境が不明)
比較的安全な食品
- 加熱された肉・煮込み料理
- ホットスープ
- 皮をむいたフルーツ
- パンや焼き菓子
- コーヒー・紅茶など熱い飲み物
実践的な予防策
- 整腸剤(乳酸菌製剤)、下痢止め(ロペラミド)、経口補水塩を携帯
- 食事前の手洗い・アルコール消毒を徹底
- 香辛料や脂っこい料理は少量から試す
その他の健康リスクと対策

蚊媒介感染症(低地や熱帯地域)
- デング熱・ジカウイルス・チクングニア熱など
- 対策:DEET入り虫よけ、長袖・長ズボン、網戸や蚊帳のある宿泊施設
紫外線
標高が高いほど紫外線は強烈。
- 日焼け止め(SPF30以上)
- サングラス・帽子・UVカット服
時差ボケ
- 出発前から少しずつ睡眠リズムを調整
- 到着後は日光を浴びて体内時計をリセット
- 必要なら医師の指導下でメラトニンを利用
医療体制
- 都市部:私立病院は水準が高いが高額
- 地方部:医療施設が限られる
- 言語:英語が通じにくい地域もあるため、通訳アプリや旅行保険のサポートが役立つ
海外旅行保険の重要性
- 治療費用・救援者費用・緊急搬送費用をカバーするものを推奨
- 日本語サポート・現地提携病院がある保険が安心
\ 海外旅行保険について /
高知旅行では準備をしっかりと

高地旅行は、アンデス山脈やアルプスの絶景、そして高原都市の独特の文化を楽しめる特別な体験ですが、その裏には 高山病や食あたりなどのリスクが潜んでいます。
- 初日は無理をせず身体を順応させる
- 水や食事の衛生管理を徹底する
- 紫外線や蚊対策を忘れない
- 万が一に備えて海外旅行保険に加入する
こうした準備を整えておけば、不安にとらわれすぎず安心して旅を楽しめます。
「高地はきついけれど、それ以上に魅力がある」──そんな声の通り、適切な対策をとれば、ペルーのマチュピチュも、スイスのユングフラウも、ボリビアのウユニ塩湖も、最高の思い出になります。