フランスはエッフェル塔やルーブル美術館など世界的な観光名所が集まる国であり、グルメ・ファッション・芸術を楽しむ旅行先として人気です。しかし一方で「治安が不安」という声も少なくありません。
実際にフランスは日本に比べると軽犯罪が多く、観光客が狙われやすい傾向があります。この記事では、パリを中心にフランス全体の治安状況を解説し、安全に旅行するための対策も紹介します。
これからフランス旅行を検討している方はぜひ参考にしてください。
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フランスの治安はなぜ不安視されるのか?

フランスは先進国の中でも「治安が良好」とは言いにくい国です。特に観光都市パリでは、スリ・置き引き・詐欺といった軽犯罪が頻発しており、観光客がターゲットにされやすいのが現実です。
注意すべき犯罪の傾向は以下の通りです。
- 観光地周辺のスリや詐欺被害
- 地下鉄での置き引き・ひったくり
- 夜間の強盗や暴行事件
- デモ・ストライキによる交通機関や市街地の混乱
フランスは民主主義国家ゆえにデモやストが頻繁に発生し、治安悪化につながるケースもあります。旅行中は最新の現地ニュースをチェックすることが大切です。
パリで治安が悪いとされるエリア

フランス観光の中心であるパリは、区ごとに雰囲気や治安が大きく異なります。特に注意したいエリアを紹介します。
1. 10区(北駅・東駅エリア)
- 特徴:鉄道利用者や旅行者が多く集まる国際的な玄関口
- リスク:スリ、麻薬取引、ホームレスによるトラブル
- 注意点:夜間の一人歩きを避け、荷物は身体から離さない
2. 18区(モンマルトル地区)
- 特徴:サクレ・クール寺院やアーティスト街で人気
- リスク:観光客狙いのスリや物売り詐欺
- 注意点:怪しいアクセサリー売りや署名詐欺に要注意
3. 19区(北東部エリア)
- 特徴:観光スポットは少なく、移民が多い地域
- リスク:夜間の犯罪率が高め
- 注意点:ジョーレス駅、スタリングラード駅周辺は夜に近づかない
パリで比較的安全とされるエリア

観光や宿泊は、比較的落ち着いた治安のエリアを選ぶと安心です。
地区 | 特徴 |
---|---|
5区(カルチェ・ラタン) | 学生街で落ち着いた雰囲気。ソルボンヌ大学あり |
6区(サン・ジェルマン・デ・プレ) | おしゃれなカフェやブティックが並ぶ |
7区(エッフェル塔周辺) | 観光と住宅街が融合。閑静で過ごしやすい |
14区・15区 | ローカル色が強く、生活感のある落ち着いた雰囲気 |
16区 | 高級住宅街で治安が安定している |
ただし「安全」とされる地区でもスリは発生するため油断は禁物です。
パリ以外のフランス都市の治安

フランス旅行ではパリ以外の都市を訪れる方も多いため、主要都市の治安傾向も押さえておきましょう。
マルセイユ(南仏最大の港町)
- 治安の悪さで有名。特に港周辺や夜間は強盗・薬物関連犯罪が発生しやすい
- 旅行者は昼間の観光に限定し、夜は外出を控えるのが無難
リヨン(グルメの街)
- パリよりも比較的安全とされるが、駅周辺や夜の路地裏は注意
- 旧市街は観光客が多く、スリ被害が散見される
ニース・カンヌ(コート・ダジュール地方)
- 高級リゾート地だが、観光客狙いのスリや置き引きは多い
- ビーチや駅周辺では荷物から目を離さないことが重要
情報と準備で安心のフランス旅行を
フランスは世界中から観光客が訪れる華やかな国ですが、治安面では日本と大きく異なります。危険エリアを避ける、安全な移動手段を選ぶ、防犯意識を持つ。この3点を意識することで、フランス旅行を安全かつ快適に楽しむことができます。
フランスで観光客が遭いやすい被害と対策
フランスは美しい景観と豊かな文化で多くの観光客を魅了しますが、それに比例して観光客を狙った軽犯罪も多い国です。「貴重品は最小限に」「不用意に立ち止まらない」「怪しい誘いは断る」
この3つを徹底するだけで、多くの被害を未然に防ぐことができます。
1. スリ・置き引き

フランス、とくにパリ・マルセイユ・ニースなどの観光都市では、観光客を狙ったスリが日常的に発生しています。
- 地下鉄やバスで乗車・降車時の混雑を利用してバッグやポケットから財布やスマホを抜き取られる
- カフェやレストランで席を立った隙に、テーブル上や椅子の背に掛けたバッグを持ち去られる
- 観光スポットで「写真を撮ってあげる」と声をかけ、撮影中に別の仲間が荷物を盗む
対策
貴重品はチャック付きバッグに入れ、体の前に抱えるて、リュックは混雑時には必ず前持ちにしましょう。テーブルの上や足元に荷物を置かない(椅子の足にストラップで固定すると安全度UP)。
2. 詐欺・偽署名活動

有名観光地(エッフェル塔周辺、ルーヴル美術館前など)では、特に若い女性や子どもを使った偽署名活動が多く見られます。
- 「聴覚障害者のための募金」などと書かれた紙を差し出し署名を求める
- 募金に応じた直後に高額な金額を要求される
- サインをして気を取られている間に、仲間がバッグから財布やスマホを盗む
対策
知らない人からの署名・募金依頼は全て断る。断る際は「No, thank you」と一言だけ言い、立ち止まらず歩き続ける。相手が距離を詰めてきたら、身体をそらし距離を確保する。
3. 偽警官による金銭要求

観光客が標的になりやすい巧妙な詐欺です。私服や中途半端な制服姿の人物が「警察」と名乗り、パスポートや現金の提示を要求し、見せた現金をそのまま持ち去るなどが多いです。観光客が疑っても、「麻薬捜査」や「偽札の取り締まり」などと説明して信じ込ませる
対策
警察官を名乗る人が来たら、まず公式な身分証(警察手帳)を確認する。現金を見せる必要はない。どうしても必要な場合は、周囲に人が多い場所へ移動して対応するなどがオススメ。少しでも怪しい場合は「警察署で話す」と伝え、その場を離れる。
5. ATM・クレジットカード被害

現金引き出しやカード利用時を狙った犯行も少なくありません。ATM利用中に背後から覗き見されたり、ATMにスキミング装置やカメラが仕掛けられている事が多いです。
対策
ATMは銀行の中や明るく人通りの多い場所を利用し、暗証番号入力時は必ず手で覆い隠す。支払いで使う際はカードは必ず自分の目の前で処理してもらい、利用明細やSMS通知を設定して、不正利用を即発見できるようにするのがオススメ。
フランスでトラブルに遭った際にどうする?

フランスで万が一、犯罪の被害に遭った場合は焦らずに落ち着いて手続きを進めて行きましょう。
以下にて犯罪に巻き込まれた際に重要な連絡先などをご紹介いたします。
警察・救急車・消防署:フランスの緊急連絡先一覧
機関 | 電話番号 |
---|---|
緊急通報(EU共通) | 112 |
警察(Police Secours) | 17 |
救急車(SAMU) | 15 |
消防署(Pompiers) | 18 |
観光警察(パリ) | +33-1-49-96-34-26 |
上記の電話番号は緊急時の対応を依頼する際の連絡先となりますので、貴重品の紛失・盗難などでポリスレポートなどが欲しい場合には最寄りの警察署にいきましょう。
在フランス日本国大使館へ相談
フランスでトラブルがあった場合には、フランス日本国大使館への連絡・相談が必要となり、大使館では、下記のようなサポートを受けることが可能です。
・帰国のための渡航書の発給:盗難や紛失によりパスポートが手元にない場合、総領事館にて「帰国のための渡航書」を発行してもらうことができます。この渡航書は日本への一時帰国に限り有効です。申請には、現地警察の「盗難証明書」が必要になるので、必ず警察署で届け出を行いましょう。
・現地情報や助言:必要に応じて、被害後の行動について適切なアドバイスを受けることができます。
在フランス日本国大使館
・住所:7 Av. Hoche, 75008 Paris, フランス
・電話番号(代表):+33148886200
トラブル時の旅行保険の活用
旅行保険に加入している場合、被害に遭った際に保険会社に連絡することで、補償やサポートを受けることができます。特に盗難、病気、けがの場合は重要です。保険会社の緊急連絡先番号を事前に控え、英語での説明が難しい場合に備えて、日本語対応が可能かどうかも確認しておきましょう。
▶ 保険請求に必要な書類例
・被害届(警察発行の証明書)
・病院の診断書や領収書(医療補償の場合)
・紛失・盗難物のリストや購入証明書
その他の対応策
地元の友人やツアーガイドに相談
慣れない土地でのトラブルは孤立感を招きがちです。可能であれば地元に住む知人やツアーガイドに状況を相談し、現地でのサポートを受けるのもおすすめです。
クレジットカード会社への連絡
クレジットカードやデビットカードを盗まれた場合は、速やかにカード会社へ連絡して使用停止の手続きを行いましょう。盗難保険が付帯している場合、一定額の補償を受けられる場合もあります。
海外旅行ではスマホが重要!

海外旅行中、思わぬトラブルに遭遇する可能性は誰にでもあります。パスポートや荷物の紛失、体調不良、道に迷ったりと、さまざまなリスクがつきものです。
そんなときに頼りになるのが、手元にあるスマートフォンです。旅行中の安全対策としてスマホを最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
緊急時の連絡手段としてスマホを活用
スマホがあれば、緊急連絡先にすぐに電話やメッセージを送ることができます。事前に以下の情報をスマホに保存しておくと安心です。
・現地の緊急番号
・日本大使館や領事館の連絡先
・旅行保険会社の緊急連絡先
さらに、無料の通話アプリ(例:LINEやWhatsApp)を活用すれば、Wi-Fi環境やモバイル環境さえあれば通信費を抑えつつ迅速な対応が可能です。
GPSで迷子知らず
初めての土地では、迷子になるリスクがあります。スマホの地図アプリ(Google MapsやApple Mapsなど)を活用すれば、現在地の確認や目的地への最短ルートを瞬時に検索可能です。
オフラインマップを事前にダウンロードしておけば、通信環境が悪い場所でも安心です。
翻訳アプリで言葉の壁を克服
海外旅行中、言語が通じず困る場面は意外と多いものです。翻訳アプリ(Google翻訳やiTranslateなど)を使えば、簡単な会話や文章をその場で翻訳できます。
カメラ翻訳機能を使えば、メニューや看板の文字もすぐに理解できるため、トラブルを未然に防げます。
情報収集と共有がスムーズ
現地での観光情報や交通手段、緊急ニュースなど、必要な情報はスマホで簡単に検索できます。また、トラブルが発生した際、家族や友人に状況を共有してアドバイスをもらうことも可能です。
特に、現地の公式アプリやサービスを事前にインストールしておくと便利です。
配車アプリで移動もスムーズ
最近は海外旅行の際の安全な移動手段として、タクシーではなく配車アプリを利用する旅行者が増加しています。目的地にピンを立てて正確に立てられたり、価格もアプリで事前に分かるといメリットもありますが、一番はドライバーの身元が確かという点でしょう。
海外旅行の際には目的地で利用されている配車アプリをチェックしましょう。
モバイル決済で安全な支払いを
最近は観光客でも使えるモバイル決済サービスを取り入れる国も増えてきています。
現金を持ち歩くリスクを減らすため、スマホを使ったモバイル決済(Apple Pay、Google Pay、PayPalなど)を活用しましょう。特にスリや盗難が多い地域では、現金を最小限にしてスマホで支払うのが安全です。
・海外旅行が決まったら通信環境の準備を
スマホは単なる便利なガジェットではなく、海外旅行中の安全を守る強力なツールです。出発前には、現地のSIMカードやeSIMを用意して通信環境を整え、必要なアプリをインストールしておきましょう。スマホを上手に活用すれば、トラブルを最小限に抑えつつ、安心して旅行を楽しむことができます!