オマーンは、アラビア半島の南東部に位置する美しい国で、乾燥した砂漠や険しい山々、青く広がるアラビア海といった多彩な自然が広がっています。旅行を計画する上で知っておきたいのが、地域ごとに異なるオマーンの気候です。
オマーンは全体として「熱帯砂漠気候」に分類されますが、沿岸部、山岳地帯、内陸の砂漠地帯では大きな違いがあります。
特に夏は気温が40℃を超えることも珍しくなく、逆に冬は快適で過ごしやすいため、訪れる時期によって旅行の楽しみ方が変わります。
ここでは、オマーンの季節ごとの気候の特徴とおすすめの服装を詳しく解説します。
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オマーンの夏(6月~9月)極端に暑いシーズン

オマーンの夏は非常に厳しく、特に内陸部では日中の気温が45℃を超えることもあります。首都マスカットや港町スールでは湿度が高く、蒸し暑さと熱風が観光客を悩ませます。日中の屋外観光は避け、早朝や夕方に移動や観光を計画するのが必須です。
一方で、この時期には南部のサラーラ地方で「カリーフ(Khareef)」と呼ばれる季節風が吹き、雨や霧が発生します。乾燥した国土の中で唯一「緑豊かな高原」が現れる特別な時期で、多くの観光客が避暑を兼ねて訪れます。
夏の服装
- コットンやリネン素材の通気性の良いシャツやパンツ
- 強烈な日差しを避けるための帽子・サングラス
- UVカットの薄手の長袖シャツ
- サンダルや通気性の良いスニーカー
夏の地域の違い
- マスカットや沿岸部:湿度が高く蒸し暑い
- 内陸部(ニズワ・砂漠地帯):気温が45℃近くまで上昇、非常に暑い
- 山岳地帯(ジャバル・アフダルなど):標高が高く比較的涼しく、避暑に人気
- 南部サラーラ:モンスーン(カリーフ)の影響で緑豊かになり、避暑客で賑わう
夏のオマーンの首都マスカットの気候データ
月 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 平均降水量 |
---|---|---|---|
6月 | 約40℃ | 約30℃ | 1mm |
7月 | 約40℃ | 約31℃ | 2mm |
8月 | 約39℃ | 約30℃ | 3mm |
9月 | 約37℃ | 約28℃ | 1mm |
オマーンの秋(10月~11月)過ごしやすさが増すシーズン

夏の酷暑が徐々に和らぎ、旅行に適した気候になるのが秋です。特に10月後半から11月にかけては気温も落ち着き、日中は25℃前後で快適に過ごせます。海岸沿いでは穏やかな風が吹き、観光やビーチリゾートを楽しむには理想的な時期です。
また、この時期はオマーン各地で伝統的な祭りやイベントも行われるため、文化体験を重視する旅行者にもおすすめです。
秋の服装
- 日中は薄手の長袖シャツやブラウス
- 朝晩の涼しさに備えて軽いカーディガンやジャケット
- 動きやすいパンツやロングスカート
秋(10月~11月)
- マスカットや沿岸部:気温が下がり過ごしやすい
- 内陸部:昼間はまだ暑いが、夜は快適
- 山岳地帯:心地よい涼しさでハイキングに最適
- 南部サラーラ:カリーフ終了後、気候が乾燥して過ごしやすくなる
秋のオマーンの首都マスカットの気候データ
月 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 平均降水量 |
---|---|---|---|
10月 | 約35℃ | 約25℃ | 1mm |
11月 | 約30℃ | 約21℃ | 3mm |
オマーンの冬(12月~2月)観光のベストシーズン

オマーンの冬は、もっとも旅行に適した季節です。日中の気温は20℃~28℃程度で、乾燥しているため爽やかに感じられます。夜間は15℃前後まで下がることがあり、特に山岳地帯や砂漠キャンプでは肌寒さを覚えるでしょう。
この時期は観光客のピークシーズンでもあり、ハイキング、砂漠ツアー、ダイビング、イルカウォッチングなど、あらゆるアクティビティを快適に楽しめます。
冬の服装
- 日中はTシャツや薄手の長袖シャツ
- 夜間に備えてセーターや軽めのコート
- 北部や山岳地帯ではジャケット必須
- ハイキング用に動きやすいパンツやトレッキングシューズ
冬(12月~2月)
- マスカットや沿岸部:穏やかで観光に最適(20〜28℃程度)
- 内陸部:日中は快適だが、夜は冷え込む
- 山岳地帯:朝晩はかなり冷えるが、日中は快適
- 南部サラーラ:乾燥した快適な気候で観光シーズン
冬(12月〜2月)
月 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 平均降水量 |
---|---|---|---|
12月 | 約26℃ | 約18℃ | 8mm |
1月 | 約25℃ | 約17℃ | 10mm |
2月 | 約26℃ | 約18℃ | 7mm |
オマーンの春(3月~5月)快適から暑さへの移行期

春のオマーンは、気候が再び暖かくなり始める時期です。3月から4月にかけては観光に理想的で、ビーチリゾートや砂漠探検にも向いています。
ただし5月に入ると急激に気温が上昇し始め、日中は35℃を超えることも多いため、観光には注意が必要です。特に5月後半はすでに夏のような暑さになるため、屋外活動は控えめにした方が良いでしょう。
春の服装
- 日中は軽い長袖シャツやTシャツ
- 4月までは夜の涼しさに備えて薄手のジャケット
- 通気性の良いパンツやスカート
春(3月~5月)
- マスカットや沿岸部:温暖で快適、5月以降は暑さが増す
- 内陸部:3月〜4月は快適、5月から急激に暑くなる
- 山岳地帯:春の花が咲き、気温も穏やか
- 南部サラーラ:乾燥が続き、比較的温暖
春(3月〜5月)
月 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 平均降水量 |
---|---|---|---|
3月 | 約29℃ | 約20℃ | 7mm |
4月 | 約34℃ | 約24℃ | 3mm |
5月 | 約38℃ | 約28℃ | 1mm |
地域ごとの気候の違い
オマーンは国土が広く、地域によって気候の特徴が大きく異なります。旅行を計画する際には、訪れるエリアごとの気候を理解しておくことで、より快適な滞在が可能になります。
マスカットや沿岸部

首都マスカットをはじめとする海岸沿いの都市は、典型的な熱帯砂漠気候です。夏は40℃近い気温に加えて湿度が高く、蒸し暑さが厳しいため、日中の観光は体力的に負担が大きくなります。
一方、冬は20〜25℃前後の穏やかな気候で、観光や散策に最適。フリーダイビングや港町の散策なども冬季が楽しみやすい時期です。
内陸部(ニズワや砂漠地帯)

内陸部では昼夜の気温差が大きく、夏は50℃近くまで上がることもあります。逆に冬は夜間に10℃を下回ることもあり、肌寒さを感じるほど。
砂漠キャンプや歴史都市ニズワの観光は、冬から春にかけてが最も快適です。特に朝夕の澄んだ空気の中で眺める砂漠の景観は格別です。
山岳地帯(ジャバル・アフダルなど)

標高2,000mを超えるオマーンの山岳地帯は、他の地域とはまったく異なる気候を持っています。夏でも比較的涼しく、30℃を下回ることも多いため、避暑地として人気です。
冬は冷え込みが強まり、夜はコートが必要になることもあります。春にはバラが咲き誇り、農村の風景や山岳ハイキングを楽しむ旅行者で賑わいます。
南部サラーラ

南部のサラーラは、他の地域と大きく異なる特別な気候を持っています。6月から9月にかけて「カリーフ」と呼ばれる季節風の影響を受け、乾燥地帯であるはずのオマーンに緑が広がる珍しい光景が見られます。
この時期はアラブ諸国からの避暑客で賑わい、まるで別世界のような涼やかな自然が楽しめます。
オマーン旅行のベストシーズンは?

- 快適に観光を楽しみたいなら冬(12月~2月)
気候が穏やかで観光に最適。砂漠ツアーや市内観光も安心して楽しめます。 - 文化体験や自然を満喫するなら秋(10月~11月)
気候が快適になり始める季節で、祭りやイベントも多く開催されます。伝統文化に触れるならこの時期がおすすめです。 - 避暑や特別な自然体験をしたいなら夏のサラーラ地方
「カリーフ」による緑豊かな景観は、この季節、この地域でしか体験できない貴重なものです。 - 春(3月~4月)は観光・アクティビティどちらも楽しめる穴場シーズン
気候は安定しており、観光客の数も比較的少なめ。静かに自然や観光を楽しみたい方に適しています。
旅行の目的に合わせてベストシーズンを選び、オマーンの多彩な魅力を存分に味わってください。
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