マチュピチュ観光の拠点として知られるペルー・クスコ。かつてインカ帝国の首都だったこの町の周辺には、今もなお数多くの遺跡が点在しています。
市内からほんの数キロ足を延ばすだけで、インカの高度な石組み技術や神秘的な宗教観を肌で感じられる場所に出会えるのです。
時間が限られている旅行者には、市内から出発する半日ツアー(シティツアー)に参加するのがおすすめ。今回は、特に必見の3つの遺跡をご紹介します。
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1. サクサイワマン(Sacsayhuamán)巨石が語るインカの軍事要塞

クスコ郊外で最も有名な遺跡が、サクサイワマン。標高3,600mの丘の上に築かれた巨大な要塞跡で、何十トンもの巨石が切れ目なく組み合わされた石壁は圧巻です。
インカの人々は鉄器も車輪も使わずに、どうやってこれほどの石を加工し運んだのか。今なお解明されていない謎に多くの旅行者が魅了されます。
また、ここは戦いの舞台であると同時に、太陽神を祀る祭礼の場でもあったといわれています。毎年6月に開催される「インティ・ライミ(太陽の祭り)」では、この地で古代の儀式が再現され、世界中の観光客が集まります。
見どころ
- ジグザグに並ぶ巨石の石壁
- 丘の上から一望できるクスコ市街の景色
- インティ・ライミの舞台
2. ケンコー(Q’enqo)岩をくり抜いた神秘の祭祀場

サクサイワマンからほど近い場所にあるのがケンコー。インカ語で「迷路」を意味する名の通り、岩をくり抜いた通路や地下の祭壇が特徴的です。
ここは動物の供儀や神々への祈りが行われていた宗教施設と考えられており、石に彫られた蛇やピューマなどのレリーフが信仰の深さを伝えています。
岩に囲まれた空間に立つと、不思議な静けさと神聖な雰囲気に包まれ、まるで時が止まったかのような感覚を味わえます。
見どころ
- 岩を削り出して作られた地下祭壇
- 太陽光が差し込むと浮かび上がるレリーフ
- 神秘的な迷路のような通路
3. プカ・プカラ(Puka Pukara)赤い石の砦と美しい眺望

最後に訪れたいのが「プカ・プカラ」。インカ語で「赤い砦」を意味し、夕陽を浴びて赤く染まる石造りの壁が印象的です。
この遺跡は、軍の見張り台や休憩施設として使われたと考えられています。サクサイワマンやケンコーほど大規模ではありませんが、丘の上に位置するため、周囲の山々や谷を見渡せる景観が魅力。
クスコの田園風景とともに、インカ時代にタイムスリップしたような気分で散策できます。
見どころ
- 赤みを帯びた石造りの砦跡
- クスコ郊外の雄大な景観
- ゆったりとした散策路
クスコ周辺の遺跡観光に必須!「ボレート・トゥリスティコ(観光共通券)」

クスコ郊外の遺跡を見学するには、入場料として「ボレート・トゥリスティコ(Boleto Turístico del Cusco)」が必要です。
これはクスコ市や周辺遺跡をまとめて見学できる共通券で、旅行者にとっては欠かせないチケットです。
種類と料金
総合券(Boleto Integral):130ソル前後
有効期限10日間。クスコ市内の博物館や遺跡、郊外の主要遺跡(サクサイワマン、ケンコー、プカ・プカラなど)を含む16か所に入場可能。時間に余裕のある人におすすめ。
部分券(Boleto Parcial):70ソル前後
有効期限1〜2日。エリアごとに区分され、短期間の滞在者や半日ツアー参加者に便利。サクサイワマンやケンコーを含む「シティツアー用」の部分券が人気。
購入方法
現地購入
1.クスコ市内の観光庁窓口
2.遺跡入口(サクサイワマンなど)
ツアー会社経由
市内発着のツアーに申し込む場合は、参加時にガイドがまとめて購入してくれることも多いです。
注意点
- クレジットカードは使えないことが多いため現金(ソル)を用意しておくのが安心。
- 購入時にパスポート提示を求められる場合があるので持参を。
- ボレート・トゥリスティコはマチュピチュやオリャンタイタンボには使えないため別途チケットが必要です。
クスコ周辺の遺跡を巡ろう

クスコ郊外には、巨石建築の謎に満ちたサクサイワマン、神秘的な宗教施設ケンコー、赤い砦プカ・プカラと、短時間でも見ごたえのあるインカ遺跡が揃っています。これらを効率よく楽しむためには、ボレート・トゥリスティコの活用が必須。
マチュピチュだけでなく、クスコ周辺の遺跡も旅程に加えれば、インカの歴史をより立体的に感じられるはずです。
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