タイに旅行や移住を考えている方の中には、「バンコクの治安って大丈夫?」「女性の一人旅でも安心?」と不安に感じる方も少なくありません。
結論から言えば、バンコクは東南アジアの中でも比較的治安が安定している都市のひとつですが、日本とは異なる文化や環境の中で、油断するとトラブルに巻き込まれることもあります。
本記事では、タイの首都バンコクに住む上で、または旅行者として滞在する上で知っておくべき治安に関する最新情報や注意点を、実際の事例や現地の傾向も交えながら分かりやすく解説します。
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バンコクの治安は?
バンコクは地域によって雰囲気が異なるため一概には言えませんが、東南アジアの中では比較的安全な都市といえます。
日本人が巻き込まれる深刻な事件(殺人など)は稀で、主な被害は窃盗や詐欺です。以下で実際に遭遇しやすい事例を詳しく紹介します。
1. 見せ金詐欺

「今度日本に行くから日本円を見せてくれない?」と声をかけられ、財布を見せたすきにお金を抜き取られる詐欺。中東系の男女にアソーク周辺で声をかけられたという報告が多くあります。
・対策
声をかけられても無視して立ち去る
財布や現金は人前で見せない
2. スリ・置き引き・ひったくり

満員のBTSやマーケット、人混みでのスリ、カフェでの置き引き、バイクでのひったくり被害が報告されています。
・対策
チャック付きのショルダーバッグを体の前に持つ
道路側にカバンを持たない
カフェでもスマホや財布をテーブルに放置しない
3. 睡眠薬(昏睡)強盗

「日本が好きだから奢りたい」「一緒に飲もう」などと言われ、飲み物に薬を混入されて昏睡、目が覚めたら財布が空というケース。
・対策
知らない人の誘いには絶対について行かない
他人からもらった飲み物は口にしない
4. イカサマ(トランプ)詐欺

「日本のことをもっと知りたい」と言って部屋に誘われ、トランプ賭博を持ちかけられ、最終的に現金を巻き上げられる手口。
・対策
知らない人について行かない
自宅や車には乗らない
5. わいせつ(性)犯罪

そこまで多くは無いですが、夜にタクシーで知らない場所に連れていかれたり、嫌な思いをしたという女性の体験談があります。
・対策
夜はタクシーを避ける
移動する際はGrabなど信頼できる配車アプリを使用
車内では電話中のフリをするなど警戒心を示す
バンコクでトラブルに巻き込まれないために
バンコクは多くの観光客に人気のある都市ですが、その一方でトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。安全に楽しい滞在をするために、以下のポイントに注意しましょう。
1. 観光地での詐欺に注意する

有名な観光スポットの周辺では、偽の観光案内所やツアー業者を装った詐欺が報告されています。「今日は閉館している」などと言って別の高額なツアーを勧めてくるケースもあります。
観光情報は、正規の観光案内所やホテルのフロントで確認するようにしましょう。
レストランやマッサージ店などで、相場以上のチップを強く求められることがあります。チップは任意ですので、相手の態度に圧倒されず、常識的な範囲で判断してください。
2. 不正なタクシーやトゥクトゥクには注意

バンコクでは、メーターを使わずに法外な料金を請求するタクシーが存在します。乗車する際には必ず「メーターを使ってくれるか」を確認し、断られた場合は乗らないようにしましょう。
トゥクトゥクも同様に、乗車前に料金をしっかり交渉し、納得できない場合はきっぱり断る勇気を持ちましょう。事前に目安の料金を調べておくと安心です。
3. クレジットカードやATMの取り扱いに注意

タイではクレジットカードのスキミング被害が報告されているため、カードを店舗スタッフに預けっぱなしにしないように注意が必要です。できるだけ自分の目の前で決済を済ませましょう。
ATMを利用する際は、人目のある明るい場所を選びましょう。また、暗証番号を入力する際は、手元を隠すことも忘れずに。
危険ではないが気を付けよう!
バンコクは決して危険な都市ではありませんが、「日本と同じ感覚」で行動してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。ちょっとした警戒心と行動の工夫で、ほとんどの被害は防ぐことができます。
バンコクで気をつけたいエリアと防犯対策まとめ
バンコクは、世界中の旅行者を魅了する観光都市ですが、一方でエリアによっては犯罪やトラブルのリスクもあることを忘れてはいけません。
この記事では、バンコクの主要エリア別に注意すべきポイントや実際に報告されている被害事例、そして有効な対策をわかりやすく解説します。
1. スクンビットエリア:夜の繁華街は要注意

スクンビットは、ショッピングモールやナイトライフスポットが集まる人気エリアですが、夜間は犯罪リスクが高まります。
被害事例
- ナイトクラブやバーを出た観光客がスリや置き引き、暴行事件に巻き込まれるケース
- 特に深夜に一人で歩くとトラブルに遭いやすい
・BTSアソーク駅周辺:商業施設が多く、混雑時はスリに注意
・BTSナナ駅周辺:歓楽街ナナプラザでは詐欺やぼったくりの被害が多発
・対策ポイント
深夜の移動はGrabやタクシーを活用
貴重品は分散して持ち歩く/飲みすぎに注意
繁華街では周囲の人の様子にも気を配る
2. カオサンロード:バックパッカーに人気も、トラブル多発地帯

バックパッカーの聖地として知られるカオサンエリア。夜はバーやクラブで賑わいますが、トラブルの報告も少なくありません。
被害事例
- 酔っ払い同士の喧嘩やスリ
- 観光客を狙った詐欺(偽料金請求やドリンクへの薬物混入)
カオサンロード全域(夜間は特に警戒)
・対策ポイント
他人から渡されたドリンクは絶対に口にしない
バッグは肌身離さず、飲みすぎに注意
怪しい人物には関わらない
3. 王宮エリア:観光地ならではの詐欺に注意

ワット・プラケオやワット・ポーなど、有名観光地が集まる王宮周辺では、観光客狙いの詐欺やぼったくりが発生しています。
被害事例
- 「今日は閉館日」とウソをついて、別の高額ツアーに誘導される
- タクシーやトゥクトゥクによる不当請求
王宮前広場、ワット・プラケオ、ワット・ポー
・対策ポイント
MRTやGrabを活用して移動
不審なガイドには注意/目的地の営業状況は事前に調べておく
タクシー利用時は地図アプリでルート確認を
4. チャトゥチャック・ナイトマーケット:混雑時のスリに警戒

ショッピング目的で訪れる人も多いチャトゥチャックやナイトマーケットですが、人混みを狙ったスリや詐欺が多いのが実情です。
被害事例
- 混雑した通路でリュックから貴重品を抜き取られる
- 観光客に対して通常より高い価格を提示する悪質な商人も存在
・チャトゥチャック・ウィークエンドマーケット
・市内各地のナイトマーケット
・対策ポイント
リュックは前掛け&ファスナーは常に閉じる
高額現金は持ち歩かず、価格交渉前に相場を把握
貴重品の管理を徹底する
5. クロントゥーイエリア:観光に不向きな治安不安地域

バンコク最大のスラム街があるクロントゥーイ周辺は、観光客の立ち寄りには不向きなエリアです。
被害事例
- スラム街内でトラブルに巻き込まれるケース
- 周辺の治安が不安定なため、個人旅行者には危険
ロントゥーイ市場周辺、特に奥のエリア
・対策ポイント
見学する場合は日中かつガイド付きツアーを利用
無理に立ち寄る必要はなく、他のエリアでの観光を優先するのが無難
6. 全般的な注意点:夜間移動と野良犬に注意

繁華街以外のエリアでは、夜になると人通りが少なくなり、犯罪リスクが上昇します。
被害事例
- 人通りの少ない路地でのひったくりやスリ
- 野良犬に咬まれることで狂犬病のリスク
・対策ポイント
夜間は徒歩移動を避け、Grabやタクシーを利用
怪しいエリアには近づかない/犬がいる場所では慎重に行動する
・バンコク旅行は「知識×行動」で安全に楽しもう!
バンコクには魅力的なスポットが多数ありますが、場所によっては注意が必要です。
「どこが危ないか」「どんな対策をすべきか」を事前に理解しておくことで、リスクを大幅に回避できます。
バンコク旅行で被害に遭ったら

バンコク旅行中、どんなに注意していても、スリや詐欺、ひったくりなどの被害に遭う可能性はゼロではありません。特に人混みの多いマーケットや観光地では警戒が必要です。
万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合でも、事前に対応手順や連絡先を把握しておくことで、落ち着いて行動することができます。以下に、バンコク滞在中に犯罪被害に遭った際の対処法と緊急連絡先情報をまとめました。
バンコクでの緊急時の主要連絡先一覧
種別 | 電話番号 |
---|---|
警察(Tourist Police) | 1155(24時間英語対応可) |
一般警察 | 191 |
救急車 | 1669 |
消防 | 199 |
総合緊急番号 | 911(最近導入、191なども引き続き利用可) |
特に「ツーリストポリス(1155)」は、外国人旅行者向けの英語対応窓口があり、トラブル時の相談先として非常に心強い存在です。
在タイ日本国大使館への相談
盗難や犯罪被害に遭った場合、パスポートの紛失や再発行などの手続きが必要になることもあります。在タイ日本国大使館では、以下のようなサポートが受けられます:
- 警察署での被害届提出サポート
- パスポートの再発行または渡航書の発行
- 帰国支援や緊急時の連絡対応
在タイ日本国大使館(Embassy of Japan in Thailand)
- 住所:177 Witthayu Road, Lumphini, Pathum Wan, Bangkok 10330, Thailand
- 電話番号(代表):+66-2-207-8500 または +66-2-696-3000
- 緊急時連絡先(夜間・休日用):+66-81-845-4222
- 受付時間:月〜金曜 8:30~12:00 / 13:30~17:15(土日祝休)
パスポート紛失の際には、現地警察での「紛失・盗難証明書」が必要になるため、まずは最寄りの警察署で被害届を出しましょう。その後、大使館での手続きに進んでください。
被害に遭ったらすぐにすべきこと
・安全を確保
まずはその場を離れ、明るく人の多い安全な場所に避難しましょう。夜間や人通りの少ないエリアでは特に注意が必要です。
・警察署に被害届を提出
最寄りの警察署で被害届を出し、「FIR(First Information Report)」または「盗難証明書(Theft Report)」を受け取ってください。これは保険請求や領事館での手続きに必要です。
・領事館に連絡
パスポートの紛失や盗難にあった場合は、在ムンバイ日本国総領事館に連絡し、「渡航書」または「パスポート再発行」の申請を行います。提出書類にはFIRが必要です。
・クレジットカードを停止
カードの盗難やスキミングが疑われる場合は、すぐにカード会社に連絡して利用停止手続きを行ってください。
海外旅行ではスマホが重要!

海外旅行中、思わぬトラブルに遭遇する可能性は誰にでもあります。パスポートや荷物の紛失、体調不良、道に迷ったりと、さまざまなリスクがつきものです。
そんなときに頼りになるのが、手元にあるスマートフォンです。旅行中の安全対策としてスマホを最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
緊急時の連絡手段としてスマホを活用
スマホがあれば、緊急連絡先にすぐに電話やメッセージを送ることができます。事前に以下の情報をスマホに保存しておくと安心です。
・現地の緊急番号(例:カナダは「911」、タイは「191」など)
・日本大使館や領事館の連絡先
・旅行保険会社の緊急連絡先
さらに、無料の通話アプリ(例:LINEやWhatsApp)を活用すれば、Wi-Fi環境やモバイル環境さえあれば通信費を抑えつつ迅速な対応が可能です。
GPSで迷子知らず
初めての土地では、迷子になるリスクがあります。スマホの地図アプリ(Google MapsやApple Mapsなど)を活用すれば、現在地の確認や目的地への最短ルートを瞬時に検索可能です。
オフラインマップを事前にダウンロードしておけば、通信環境が悪い場所でも安心です。
翻訳アプリで言葉の壁を克服
海外旅行中、言語が通じず困る場面は意外と多いものです。翻訳アプリ(Google翻訳やiTranslateなど)を使えば、簡単な会話や文章をその場で翻訳できます。
カメラ翻訳機能を使えば、メニューや看板の文字もすぐに理解できるため、トラブルを未然に防げます。
情報収集と共有がスムーズ
現地での観光情報や交通手段、緊急ニュースなど、必要な情報はスマホで簡単に検索できます。また、トラブルが発生した際、家族や友人に状況を共有してアドバイスをもらうことも可能です。
特に、現地の公式アプリやサービスを事前にインストールしておくと便利です。
配車アプリで移動もスムーズ
最近は海外旅行の際の安全な移動手段として、タクシーではなく配車アプリを利用する旅行者が増加しています。目的地にピンを立てて正確に立てられたり、価格もアプリで事前に分かるといメリットもありますが、一番はドライバーの身元が確かという点でしょう。
海外旅行の際には目的地で利用されている配車アプリをチェックしましょう。
モバイル決済で安全な支払いを
最近は観光客でも使えるモバイル決済サービスを取り入れる国も増えてきています。
現金を持ち歩くリスクを減らすため、スマホを使ったモバイル決済(Apple Pay、Google Pay、PayPalなど)を活用しましょう。特にスリや盗難が多い地域では、現金を最小限にしてスマホで支払うのが安全です。
・海外旅行が決まったら通信環境の準備を
スマホは単なる便利なガジェットではなく、海外旅行中の安全を守る強力なツールです。出発前には、現地のSIMカードやeSIMを用意して通信環境を整え、必要なアプリをインストールしておきましょう。スマホを上手に活用すれば、トラブルを最小限に抑えつつ、安心して旅行を楽しむことができます!
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