中国・北京発祥の「北京料理」は、宮廷料理の華やかさと庶民の味が融合した、奥深い魅力を持つ中国四大料理のひとつ。濃いめの味付けや多彩な小麦料理、モツを使った前菜など、日本人の口にも合いやすい料理がたくさんあります。
この記事では、北京料理の特徴からおすすめの前菜・メイン・麺類・スイーツまで、食べたくなる人気メニューをたっぷりご紹介します!
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北京料理とは?その魅力と特徴

北京料理は、中国北部・首都北京を中心に発展した料理で、かつて皇帝が暮らした宮廷料理の影響を色濃く受けています。
北京料理の特徴
・濃厚な味付け:甜麺醤、味噌、醤油、油を使ったコクのある風味
・小麦文化:米よりも小麦が主流。蒸しパン、餃子、麺類が豊富
・清真料理の影響:モンゴルや中央アジアの影響を受けた、羊肉やモツを使ったイスラム教徒向けの料理も多い
北京料理のおすすめ前菜3選
前菜からして個性的なのが北京料理の面白さ。特にモツを使った料理が多く、ビールや白酒との相性も抜群です!
炸灌肠(ジャン・グワン・ジャン)

豚の腸を揚げた、香ばしくてクセになる北京名物スナック
炸灌肠は、豚の腸にデンプンや調味料を詰めて蒸したものを、さらに油でカリッと二度揚げした、北京の伝統的なストリートフード。外はサクサク、中はモチッとした独特の食感がクセになります。
表面にはニンニクの香りがしっかり染み込み、噛むたびに香ばしさと豚の旨みが広がります。地元では朝ごはんやおやつ、お酒のつまみとしても親しまれており、気軽に味わえるローカルグルメの代表格です。
▷ オススメの食べ方
・酢やニンニクタレをたっぷりかけて
・青島ビールや白酒と合わせて楽しむのが通の食べ方!
爆肚(バオドゥ)

新鮮な牛・羊のモツをサッと茹でて味わう、北京伝統の清真料理
爆肚は、牛や羊の胃袋(モツ)を薄くスライスし、短時間でサッと熱湯に通した後、酢・ゴマだれ・ラー油などのタレでいただく北京ローカルグルメ。ぷりぷり&コリコリした独特の食感がクセになる一品です。
臭みがなく、とてもあっさりしているため、暑い季節でもペロリと食べられるのが魅力。中国の少数民族・回族がルーツの「清真料理」の代表格でもあります。
▷ おすすめの食べ方
・タレはお好みで選べることが多く、ゴマダレ+ラー油+酢の組み合わせが一番人気!
・辛さ控えめが好みなら、ニンニク入り酢+ゴマダレでまろやかに。
麻豆腐(マードウフ)

発酵緑豆から作られた、北京の下町情緒あふれるローカルグルメ。麻豆腐は、一見すると豆腐の仲間のように思えますが、実際には“緑豆を発酵させたおから”を炒めて作る、北京特有の伝統料理です。
見た目はやや地味ながら、そのディープな風味と独特の香りは、通好みの一皿。地元では“北京のソウルフード”とも称されます。
▷ 味の特徴と食べ方
麻豆腐の魅力は、なんといってもその発酵によるクセのある香りと、濃厚でなめらかな口当たり。炒める際には羊脂(ヤンジー:羊の脂)を使うのが本場流で、クミンや唐辛子、ネギ、生姜などの香辛料で香りづけされ、さらに独特な風味が加わります。
北京料理のおすすめメイン3選
がっつり食べたい時はこの6品!北京料理らしい濃厚さと満足感を楽しめます。
北京ダック(北京烤鴨)

北京を代表するグルメの王様。カリッと香ばしい皮とジューシーな肉を包んで食べる贅沢な逸品
北京ダックは、特別に育てられた鴨を丸ごとローストし、パリパリに焼き上げた皮とジューシーな肉を薄餅(バオビン)に包んで食べる中国を代表する伝統料理です。
高温で焼き上げることで余分な脂が落ち、外は香ばしく中はしっとりとした絶妙な仕上がりに。皮の香ばしさ、肉のうまみ、甜麺醤(テンメンジャン)の甘辛さ、キュウリやネギのシャキシャキ感が一体となった食感と味のハーモニーがたまりません。
▷ 北京ダックの楽しみ方
1.第一口は“皮だけ”を味わう:塩や砂糖をちょっとつけて、香ばしさをじっくり堪能。
2.お好みの具材を包んで食べる:甜麺醤+白髪ねぎ+キュウリ+鴨の身+皮で巻いて。
3.最後はスープで〆:鴨の骨を使った濃厚スープで満足感MAX。
涮羊肉(シュワンヤンロウ)

体の芯から温まる!北京発・伝統の羊しゃぶしゃぶ、「涮羊肉」は、北京を代表する清真(イスラム系)料理のひとつで、寒い冬に欠かせない“あったか鍋グルメ”。薄切りにした羊肉を、熱々のスープでさっとしゃぶしゃぶし、ゴマダレや香草で味わうスタイルは、老若男女に親しまれています。
日本のしゃぶしゃぶに似ていますが、香辛料やタレの風味、そして羊肉の濃い旨みが特徴的で、食べ進めるほどにやみつきになる味わいです。
▷ 味と食べ方のポイント
本場の涮羊肉は、銅製の「火鍋(フオグオ)」に炭をくべて加熱するのが伝統。鍋の中央が煙突のように突き出た独特の形をしており、テーブルの中心でぐつぐつ煮立つ様子は見るだけでもワクワクします。
卤煮火烧(ルジュフオシャオ)

ディープな北京のソウルフード!モツ煮×中華パンの濃厚コラボ。「卤煮火烧」は、北京下町を代表するローカルグルメで、地元の人々に長く愛され続けている伝統料理。
豚のモツ(腸・肺など)と発酵豆腐(腐乳)、豆腐干(押し豆腐)などを濃いめの醤油スープで煮込んだものに、「火烧(フオシャオ)」と呼ばれる中華風パンを添えて食べるのが基本スタイルです。
▷味と食感のハーモニーがたまらない!
見た目はややインパクトがありますが、食べれば旨味たっぷりの濃厚スープに驚くはず!
しっかり煮込まれたモツは柔らかく臭みがなく、発酵豆腐がスープに深みとコクを与えています。そこに火烧という香ばしい焼きパンが加わることで、食感と風味に変化が生まれ、スープに浸して食べると絶品です。
北京のおすすめ麺料理3選
北京は麺文化も盛ん。コシのある麺と濃厚なタレ・スープが魅力です。
炸醤麺(ジャージャーメン)

甘辛肉味噌がクセになる!北京を代表する国民食。「炸醤麺(ジャージャーメン)」は、北京ローカルグルメの代表格として親しまれている定番麺料理。
コシのある太麺に、甜麺醤(甘い味噌)と豆板醤、醤油などで炒めた濃厚な肉味噌(炸醤)をたっぷりかけて、千切り野菜と一緒に豪快に混ぜて食べます。
▷ 甘じょっぱさが食欲を直撃!
炸醤は、豚ひき肉や時には大豆ミートをベースにして炒められ、ほんのり甘くてコクのある味わい。噛むごとに旨みがじんわり広がり、ニンニクや生姜の香りと相まって、まさに「止まら
刀削麺(トウショウメン)

削り出す瞬間も見どころ!モチモチ食感とピリ辛スープが絶妙な本格派麺料理。「刀削麺(とうしょうめん)」は、中国・山西省発祥の伝統麺料理で、今では北京でも大人気のローカルグルメ。
生地の塊を手にした職人が、特製の刀で麺を鍋に直接削り落としていく豪快なパフォーマンスが特徴で、まさに”目でも楽しめる”一品です。
▷ 職人の技が光る“削り出し製法”
刀削麺の一番の魅力は、なんといってもそのダイナミックな調理方法。棒状の生地を肩に担ぎ、斜めに構えた特製の平刃で、湯の中に向かってシャッシャッとテンポよく削っていきます。削られた麺は不揃いながらも厚みにコシがあり、モチモチ&プリッとした絶妙な食感に!
酸辣湯麺(サンラータンメン)

酸っぱ辛いとろみスープがやみつきに!身体の芯から温まる一杯。「酸辣湯麺(サンラータンメン)」は、中国全土で親しまれている酸味と辛味が絶妙に融合した麺料理。
とろみのあるスープの中には、豆腐、キクラゲ、タケノコ、卵、豚肉などの具材がたっぷり。食材の旨みを閉じ込めた熱々のスープは、寒い時期や食欲が落ちたときにもぴったりの一杯です。
▷ 酢×唐辛子の黄金バランス!
「酸辣」とは中国語で“酸っぱい&辛い”という意味。その名の通り、黒酢のまろやかな酸味と唐辛子のピリッとした辛さが見事に調和したスープは、クセになる味わい。さらに胡椒がピリリと効いて、最後まで飽きずに楽しめます。
北京料理のスイーツ2選
しっかり食べた後は、甘さ控えめで優しいスイーツをどうぞ。
奶酪(ナイラオ)

清朝の宮廷で愛された、ヨーグルト風のまろやかミルクプリン。「奶酪(ナイラオ)」は、北京の伝統スイーツで、乳製品が貴重だった時代の宮廷デザートとして知られています。
濃厚な牛乳に砂糖を加え、発酵または凝固させたミルクを冷やして食べるスタイルで、現代でいうヨーグルトプリンやミルク寒天のような食感です。
▷ まろやかさと素朴な甘みが魅力
ナイラオはほんのりとした甘さが特徴で、牛乳の自然な風味を大切にして作られます。しっかりと冷やして提供されるため、口当たりはなめらかで爽やか。甘ったるさがなく、どこか懐かしい、優しい味わいが特徴です。
花巻(ホアジュアン)

ふわふわ&ほんのり甘い、ねじり模様が可愛い蒸しパン。「花巻(ホアジュアン)」は、中国全土で親しまれている蒸しパンの一種で、特に北京や華北地方でよく食べられている定番の粉もの料理。
小麦粉を発酵させて蒸し上げた、ほんのり甘くてふわふわのパンで、朝ごはんや軽食、おやつ、さらにはおかずと一緒に主食としても楽しまれます。ごま油の香りや黒ごま、きび砂糖を巻き込んだバリエーションもあります。
▷見た目も華やか!味も優しい
「花巻」という名前の通り、生地をねじって花のように成形するのが特徴。そのため、食卓に並べるだけで華やかな雰囲気になります。白くつややかでふっくらと膨らんだビジュアルは食欲をそそり、見た目の美しさと実用性を兼ね備えた点心です。
1. 杏仁豆腐

中華スイーツの王道!つるんとなめらか、上品な甘さのデザート。「杏仁豆腐」は、中国を代表する定番スイーツのひとつ。ほんのり香る杏仁(あんにん)と、つるんとした食感が特徴の冷たいデザートで、食後の口直しとしてはもちろん、暑い季節のリフレッシュにもぴったりです。
その香りと、ミルクのまろやかさが合わさって生まれる味わいは、やさしい甘さとともに口いっぱいに広がる爽やかさが魅力。どんな料理の後でもさっぱりと食べられるので、脂っこい中華料理の締めに最適な一皿です。
▷ 優しい甘さと芳醇な香り
本来の杏仁豆腐は、杏(アンズ)の種の中にある“仁”からとれる杏仁霜(きょうにんそう)を原料とし、ミルクや砂糖、ゼラチンまたは寒天で固めて作ります。最近ではアーモンドエッセンスを使うレシピも多いですが、本場では杏仁そのものの独特で高貴な香りが重視されます。
北京料理で中国の食文化を味わい尽くそう!
北京料理は、歴史ある宮廷料理から親しみやすい家庭料理、ストリートフードまで幅広いジャンルが魅力。甜麺醤や味噌を効かせた濃厚な味わいは日本人にも好まれやすく、きっとお気に入りの一品が見つかるはず!
旅行先や中華料理店で見かけたら、ぜひ気になる北京料理を試してみてくださいね。
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