イスラム圏への旅行は、歴史や文化に触れられる貴重な体験ですが、特に女性にとっては 服装のマナー がとても大切です。国や地域によって違いはありますが、現地の文化や宗教を尊重した装いを心がけることで、快適に、そして安心して旅行を楽しむことができます。
ここでは、日本人女性がイスラム圏を訪れる際に気をつけたい服装やマナーについて詳しくご紹介します。
基本の服装ルール

イスラム圏の多くの国では、女性に対して 肌の露出や体のラインを強調する服装を避ける ことが求められます。
× 避けるべき服装
・ミニスカートやショートパンツ
・レギンスやスリムパンツなど体のラインが出るもの
・ノースリーブや胸元の開いた服
〇 おすすめの服装
・足首まで隠れるロングスカート
・ゆったりとしたワイドパンツ
・長袖のチュニックやシャツ
・薄手のカーディガンやストール
夏は強い日差しから肌を守るため、むしろ 長袖&長ズボンの方が涼しく快適。冬は厚手の生地を選ぶことで防寒にもなり、合理的です。
頭髪を覆うマナー|ヒジャブについて

イスラム圏では、女性が頭髪を覆うことが「敬意」を示すマナーとされています。これを ヒジャブ(Hijab) と呼び、多くのムスリム女性が公の場で着用しています。
- 旅行者の場合は、 モスクや宗教施設に入るときに必須 となる国が多いです。
- 国や地域によっては、観光中もスカーフを羽織る方が無難な場合があります。
- シンプルに大判スカーフやショールを頭にかければOKの国も多いです。
レバノン、ヨルダン、トルコ、UAE(アラブ首長国連邦) は比較的寛容で、観光地ではスカーフなしでも問題ありませんが、モスクでは必ず着用しましょう。
国や地域ごとの装いの違い
イスラム圏と一口に言っても、地域や国によって服装規定は大きく異なります。
イラン

イランでは女性は 必ず頭髪を隠す 必要あり。
チャドルと呼ばれる黒い布を着用する女性もいますが、近年は ジーンズ+お尻が隠れる丈のコート+スカーフ というスタイルも一般的。
アフガニスタン

チャドルやブルカを着用する女性も多いですが、旅行者には伝統的衣装の強制は基本的にありません。
ただし、服装の自由度は非常に低いため、特に女性は安全に旅行するために慎重な装いが求められます。
湾岸諸国(サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦など)

アバヤ(黒いローブ状の衣装) を着る女性が多く、旅行者も黒いアバヤを羽織るのが無難。
サウジアラビアではアバヤが必須でしたが、近年は旅行者に対して多少緩和傾向。ニカブ(顔の一部を覆う布)やブルカ(顔全体を覆う衣装)は少数派。
北アフリカ(モロッコ、チュニジア、エジプトなど)

観光地ではスカーフなしで歩けることも多いですが、モスクでは必ず頭髪を覆う必要あり。
夏は強い日差しを避けるため、現地女性と同じく ゆったり長袖+スカーフ スタイルが快適。
ムスリム女性のおしゃれ文化

「隠す」ことが中心のイスラムの装いですが、実際には女性たちもおしゃれを楽しんでいます。
- スカーフの素材や柄を工夫して個性を表現
- 服の下で髪や肌をきれいにお手入れ
- 目元やリップメイクに力を入れる
旅行中に仲良くなった現地の女性から、こうした「隠されたおしゃれ文化」を教えてもらえるのも楽しい体験です。
旅行者が気を付けたいポイント
1.服装の自由度は国ごとに異なる
同じイスラム教でも国や地域によって厳しさが異なります。観光前に必ず最新の現地情報を確認。
2.宗教施設では厳格に守る
モスクや霊廟に入る際はスカーフ必須。リスペクトを持ってしっかりとした服装で行くようにしましょう。
3.現地の人を尊重する気持ちが大切
頭髪を隠すことで「敬意を払ってくれている」と喜ばれることも。
4.個人差があることを忘れない
同じ国でも都市部と地方では装いに大きな違いがありますし、人によっても感じ方が違うので注意。
安全に旅行するために気を付けよう

イスラム圏を旅行する際の女性の服装は、単なる「規則」ではなく、 現地の人々へのリスペクト を示す大切なマナーです。
- 肌を隠す服装は、暑さ対策や防寒としても実用的。
- スカーフは宗教施設で必須、国によっては日常でも着用推奨。
- イスラム圏は地域によって装いの厳しさが異なるため、事前に情報収集を。
文化を理解し尊重しながら旅をすることで、現地の人々との交流もより豊かになり、旅の思い出も深まります。