東南アジアの隠れた魅力都市、プノンペン(Phnom Penh)。カンボジアの首都として栄えるこの街は、クメール王朝の歴史的な建築と、活気ある現代都市の顔を併せ持つ、奥深い旅先です。
王宮の煌びやかさから、悲しい過去を伝える博物館まで、心を揺さぶる観光スポットが詰まっています。
この記事では、初めてのプノンペン旅行にぴったりの観光プランを、見どころと共にご紹介します。
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プノンペンってどんな都市?

プノンペンはカンボジア最大の都市で、政治・経済・文化の中心地。かつて「東洋のパリ」と呼ばれたこともあり、フランス植民地時代のコロニアル建築や、クメール伝統の美しい建築物が随所に残ります。
歴史を深く知る場所も多く、旅人にとっては「学び」と「癒し」を同時に感じられる街です。
見逃せない観光スポットをご紹介!
プノンペンには魅力的な観光地がたくさんありますが、その中でも特に見逃せない観光スポットを3つご紹介します。
プノンペン旅行に来たら是非以下の観光スポットを巡ってみてください。
王宮& シルバーパゴダRoyal Palace & Silver Pagoda

カンボジアの象徴ともいえるプノンペンの王宮(Royal Palace)は、1866年に建てられた壮麗な建築群で、現在も王室が使用している格式ある施設です。金色に輝く屋根と、精緻な装飾が施されたクメール様式の建築美が圧巻で、観光客だけでなく地元民にとっても誇りある存在です。
敷地内には王の謁見の間「トロンホール(Throne Hall)」をはじめ、式典や行事に使われる数々のパビリオンがあり、見学可能なエリアは非常に広く、ゆっくり歩くだけでも王国文化の荘厳さに浸ることができます。
▶ トロンホール(Throne Hall)
公式行事や戴冠式が行われる豪華なホール。王座や金色の天蓋など、内部もきらびやかで格式が高い雰囲気に包まれています。
▶ チャナモック・パビリオン
迎賓用の建物で、フランス統治時代の影響が見られるエレガントな構造。
シルバーパゴダSilver Pagoda

王宮敷地内に隣接するこの仏教寺院は、正式名称を「ワット・プラケオ・モロポット(Wat Preah Keo Morokat)」といい、王室専用の礼拝堂として利用されています。
その名の通り、床には約5000枚もの純銀板が敷き詰められており、訪れる人々を驚かせます。堂内には、金で装飾された仏像や宝飾品が安置され、特に注目されるのは以下の2つの仏像です:
▶ エメラルド仏(Emerald Buddha)
翡翠で作られた神聖な仏像で、タイのワット・プラケオを模して作られたとも言われています。
▶ 金の仏像(Golden Buddha)
90kg以上の純金でできており、ダイヤモンドが多数散りばめられている豪華な仏像です。
また、シルバーパゴダ周辺には壁画で飾られた回廊や仏塔、庭園などもあり、静寂と神聖さに包まれた空間が広がっています。
⏱ 所要時間の目安:1〜1.5時間
ゆっくり写真を撮ったり、回廊の壁画をじっくり眺めるなら2時間ほどかかることも。朝の早い時間帯や夕方は比較的涼しく、観光にもおすすめです。
トゥールスレン虐殺博物館Tuol Sleng Genocide Museum

カンボジアの首都プノンペンにある「トゥールスレン虐殺博物館」は、ポル・ポト政権による恐怖政治の象徴とも言える重要な歴史遺構です。
1975年から1979年にかけて、民主カンプチア(ポル・ポト政権)の下で旧トゥールスレン高校がS-21(Security Prison 21)という拷問・尋問施設として使用され、推定1万5000人以上がここで拘束され、その多くが命を落としました。
現在は博物館として公開されており、当時のままの建物と展示物を通して、カンボジアの暗黒の近代史を深く知ることができる場所となっています。
見どころと展示内容

▶ 独房や拷問室:元教室を区切って作られた小さな独房、ベッドに鎖が繋がれた拷問部屋がそのまま残されており、内部には実際に使用された拷問器具も展示されています。
▶ 犠牲者の記録写真:入所時に撮影された囚人の顔写真がずらりと並ぶ部屋は圧巻。老若男女、子供まで含まれた写真が展示されており、誰一人表情に希望がないことが、この施設の恐ろしさを物語っています。
▶ 犠牲者の遺品と証言:囚人の服、日用品、拷問器具、そして生存者や家族の証言もパネルで紹介されています。
中庭には犠牲者の遺骨を納めた慰霊塔が建てられており、訪れる人々が花を手向けて静かに祈りを捧げています。
⚠️ 訪問時の注意点
この博物館は、観光というよりも「記憶と追悼の場所」です。過酷な写真や資料が多く、感情的に非常に強いインパクトを受ける可能性があるため、訪問には心の準備が必要です。特に感受性の強い方、小さなお子様を連れての見学は慎重に判断してください。
⏱ 所要時間の目安:1〜1.5時間
展示をじっくり見て回るなら1時間以上は必要です。音声ガイドを使うとさらに理解が深まります。
ワットプノンWat Phnom

カンボジア・プノンペン観光の中でも、歴史的・精神的に特に重要なスポットがこの「ワットプノン」です。市の中心部に位置する小高い丘に築かれたこの寺院は、プノンペンという都市名の由来となった場所として知られ、地元民にも深く敬われています。
ワットプノンの歴史と由来
「プノン」は“丘”、“ペン”はこの寺院を建立したとされる裕福な未亡人「ペン夫人」の名前。伝説によると、ペン夫人が洪水後に川岸で4体の仏像を発見し、この丘の上に祀ったことが始まりとされています。それがやがて町の中心となり、「ペン夫人の丘」=プノンペンという地名が誕生したと伝えられています。
現在のワットプノンの建物は幾度も再建されており、現在の本堂は20世紀初頭のもの。内部には色彩豊かな壁画が広がり、訪れる人々の目を楽しませてくれます。
見どころポイント

丘の上にそびえる本堂には、金色に輝く大きな仏像が安置されており、壁一面には仏教の物語が描かれた壁画が色鮮やかに広がります。信仰心の深いカンボジアの人々が、静かに祈りを捧げる姿はとても印象的です。
▶ プノンペンを一望する眺望
標高約27mと決して高い丘ではありませんが、街の喧騒から少し離れたこの場所では、プノンペン市内をぐるりと見渡すことができる開放感があります。
▶ 鐘楼と祈りの鐘
本堂の脇には大きな鐘が設置されており、願いを込めて鐘を鳴らす人の姿が絶えません。
丘のふもとは緑が豊かで、リスや小動物が姿を見せることも。ベンチや日陰も多く、ちょっとした休憩スポットとしても最適です。また、敷地内にはペン夫人を祀る小さな祠もあり、こちらも見逃せません。
ワットプノン 観光のポイント
- 参拝時間のおすすめ:午前中(涼しく、信仰の雰囲気がより濃い)
- 服装のマナー:肩・膝を隠す服装がおすすめ(肌の露出は避けましょう)
- 入場料:外国人観光客はわずかな入場料が必要(1〜2ドル程度)
- アクセス:市内中心部から徒歩圏内、トゥクトゥクでも簡単にアクセス可能
ワットプノンは、単なる観光名所ではなく、プノンペンの歴史と信仰を象徴する場所です。観光の合間に少し足を止めて、静かに祈る時間を持つことで、旅の印象がぐっと深まることでしょう。
その他のおすすめスポット
上記でご紹介した以外にも多くの観光スポットがあるので、色々な場所に行ってみましょう。
セントラルマーケット(Central Market)

プノンペンの象徴的なランドマークの一つ、セントラルマーケットは、1937年に建てられた歴史ある市場です。アール・デコ様式の巨大なドーム屋根が目を引き、その独特な建築美は観光客の写真スポットとしても人気です。
このマーケットは地元の生活の中心地でもあり、衣料品、アクセサリー、手工芸品、宝石、スパイス、日用雑貨、さらには地元の食材やグルメまで幅広く揃っています。
お土産探しにも最適!
観光客にとってはお土産探しの絶好の場所で、シルク製品やカンボジア伝統の木彫り、香辛料セットなど、ここでしか手に入らないユニークな品々が数多く見つかります。
さらに、カンボジアの市場ならではの醍醐味は価格交渉。店主とのやり取りを楽しみながら、気に入った商品をリーズナブルに購入することができるので、ショッピング好きにはたまらないスポットです。
マーケット内には屋台も多く、新鮮なフルーツジュースやカンボジアのストリートフードも手軽に味わえ、食べ歩きも楽しめます。市場の喧騒と活気を感じながら、地元の人々の生活に触れる体験ができます。
トンレサップ川沿いのプロムナード

プノンペンの中心を流れる大河、トンレサップ川沿いのプロムナードは、特に夕暮れ時から夜にかけて賑わう人気の散策エリアです。
川沿いにはカラフルな屋台が立ち並び、地元の人や観光客が集まって食事や買い物を楽しみます。スナックやシーフード、クメール料理の屋台が軒を連ね、賑やかな雰囲気の中でカジュアルに食事ができるのも魅力のひとつ。
夜の景色も魅力的
プロムナードは夜景の美しいスポットとしても知られ、川面に映るライトアップと共にロマンチックな時間が過ごせます。デートスポットや夜のお散歩にも最適です。
さらに、ここから出発するリバークルーズも大人気。ゆったりと流れるトンレサップ川を船上から眺めながら、プノンペンの夜景や川岸の生活風景を楽しむことができます。クルーズはディナー付きのものも多く、旅の特別な思い出づくりにぴったりです。
川沿いにはカフェやバーも点在しており、軽食やドリンクを楽しみながらのんびり過ごすのもおすすめ。地元の人の暮らしを感じながら、リラックスできる空間が広がっています。
セントラルマーケットとトンレサップ川沿いのプロムナードは、どちらもプノンペン観光に欠かせないスポットです。ショッピングとグルメ、そして川の風景と夜の賑わいを堪能しながら、カンボジアの街の多彩な魅力を存分に味わってください。
カンボジア・プノンペンの移動手段

カンボジア・プノンペンでは、タクシーやトゥクトゥクがアプリで簡単に呼べる時代になりました。以前のような料金トラブルも減り、観光客でも安心して移動できます。
主な交通手段と特徴
▶ タクシー
観光地などを含め、街中を移動する手段としてタクシーを利用する人も多いですが、価格交渉やぼったくりなどの面倒さがあります。
▶ トゥクトゥク
伝統的なトゥクトゥクと新型の電動タイプがあります。価格は目安として、1km=約1ドルを見ておけばいいでしょう。乗る際に価格交渉が必要です。
移動の際には配車アプリを使おう!
タクシーやトゥクトゥクは交渉して利用する事になりますが、配車アプリを利用すれば料金が事前に分かるのでぼったくりを防止出来るのでオススメ!
詳細は以下の移動手段の記事をご確認ください。
\ プノンペンの移動手段 /

プノンペンは心と歴史が交差する街
プノンペンは、カンボジアの歴史・文化・人々の温かさをダイレクトに感じられる旅先です。華麗な王宮と、痛ましい歴史を伝える博物館、その両方を訪れることで、旅の深みがぐっと増すはず。
歴史に敬意を払いながら、地元の活気と優しさに触れることで、あなたの旅はより豊かになるでしょう。
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