最近、夜行列車に乗ったことはありますか?
日本では寝台特急の本数が年々減少し、今では毎日運行されているものは1本だけ。しかし、ここタイでは今でも多くの寝台列車(夜行列車)が現役で活躍しています。特に地方都市への移動手段として、タイの人々にとって欠かせない存在です。
今回は、バンコクからラオス国境の街・ノンカーイまで運行される寝台特急に実際に乗車してきた体験をもとに、チケットの予約方法から快適な寝台車両の様子までを完全ガイドとしてご紹介します!
今回乗車したのは、バンコク20:25発 → ノンカーイ6:25着(列車番号25番)の寝台特急。近年導入された新型車両は、清潔で静か、快適な睡眠も可能。ローカル移動のイメージが覆るほど洗練されています。
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タイ国鉄の寝台列車チケットの購入方法

タイで寝台特急のチケットを手に入れるには、主に以下の2つの方法があります。
1. 駅の窓口で直接購入(おすすめしない)
当日でも購入可能ですが、寝台列車は人気が高くすぐ満席になり、席が余っていても微妙な席の事が多いため、特に旅行者にはあまりおすすめできません。
2.タイ国鉄の公式WEBサイトでオンライン予約(おすすめ)
最もおすすめなのが、タイ国鉄公式サイトでのオンライン予約。事前にチケットが確保でき、クレジットカード決済も対応していて安心です。
チケット予約の手順を詳しく解説!
今回は実際にこの予約サイトから購入しました。
初めての人でも簡単に予約できるように、予約ステップを以下にまとめたのでご確認ください。
ステップ1. 発着駅を選択

・バンコク側の駅は「Krung Thep Aphiwat」と表記されているので要注意!
(“Bangkok”とは表示されていません)
ステップ2. 乗車する列車を選ぶ

・今回利用したのは列車番号25
・発:20:25 バンコク発
・着:6:25 ノンカーイ着
ステップ3. (寝台)タイプを選択

選べる寝台の種類は以下の通りです。
等級 | 内容 |
1等 | 個室タイプ(やや高額) |
2等(冷房付き) | カーテンで仕切るベッドタイプ。快適&リーズナブルでおすすめ! |
※2等寝台の中でも「下段(Lower)」がおすすめ!
▶ 【豆知識】上段と下段どっちがいい?
席を選ぶ際に上段と下段があるのですが、初めての利用の場合にはどちらが良いのか悩むかと思います。
そこで、上段と下段のどちらが良いのか比較していきましょう。
比較項目 | 上段 | 下段 |
寝台の広さ | やや狭い | 広めで快適 |
窓 | 無し | 外の景色が見える |
安定感 | やや揺れる | 揺れが少ない |
上り下り | ハシゴが必要 | スムーズにアクセス |
料金 | 約100THB安い | やや高め(でも快適) |
※ 偶数番号:下段、奇数番号:上段となっています。また、他の乗客の性別(男性/女性)も表示されるので安心して選べます。
ステップ4. アカウント登録(会員登録)

初回予約時は「Register」から会員登録が必要です。
・登録にはパスポート番号や氏名の入力が必要なので手元に準備しておきましょう。
・「Foreigner(外国人)」のチェックもお忘れなく
ステップ5. 支払い・チケット発行

支払いは以下の方法が選べます。
・クレジットカード(VISA・MasterCardなど)
・タイ国内銀行振込(旅行者には非推奨)
支払い完了後、登録メールアドレスにPDFチケットが届きます。
印刷が必要かも!
一部ではスマホ画面提示でも可との情報もありますが、公式には「プリント必須」と記載あったので紙に印刷して持参しましょう。
実際に寝台列車に乗ってみた
実際に上記で予約した寝台列車にて、バンコクからラオス国境にあるノンカーイまで、寝台特急に乗車してきました。
今回は、新しいバンコクの玄関口「クルンテープ・アピワット駅」から出発する、列車番号25番(夜行列車)のリアルな乗車記をお届けします。
クルンテープ・アピワット駅からスタート!

これまで長距離列車の出発駅といえば「フアランポーン駅」でしたが、2021年の新ターミナル開業により、現在は長距離列車の多くが「クルンテープ・アピワット駅」発着に移行。
駅に到着してまず驚いたのが、広大な構内にほとんど人がいないこと。一瞬、「駅、間違えた…?」と不安になるほど。でも奥に進むと電光掲示板やベンチが並び、ひと安心。
乗車開始!いよいよ夜行列車の旅がスタート

改札は出発の20分前から開放され、事前に発行されたQRコードで入場できます。
エスカレーターでホーム階に上がると、すでに列車は停車中。号車番号がドア横に明記されており、スムーズに自分の車両に乗車できました。
【車内レビュー】予想を超える快適さと清潔さ

車内に入った瞬間の第一印象
- 「想像以上に綺麗!静か!」
- 匂いやほこりっぽさもなく、空気も快適。
- 指定されたボックス席に座って出発を待ちます。
今回は下段(Lower)席を予約。途中駅で上段の乗客が乗るまでは1ボックス独占状態。ゆったりできました。水のペットボトルが1本備え付けられているのも嬉しいポイント。
静かに動き出す列車
20:25ちょうど、アナウンスもなく静かに列車が出発。本当にスムーズで、車窓を見ていなければ気付かないほどの揺れでした。
ベッド展開は驚きのスピードで完了!

出発から約5分、係員がやってきてあっという間に2段ベッドに変身!
- 上段には窓がなく、スペースもやや狭め
- 下段は広めで窓もあり快適
- 運賃差は100THBほどだが、快適性を重視するなら下段が断然おすすめ!
ベッドに横になると個室感がすごい!
遮光性の高いカーテンにより、車内照明が点灯していても気になりません。さらに、コンセントや読書灯も完備。スマホの充電もバッチリです。
途中で「アユタヤ駅」に停車。夜の街を車窓から

出発してから約1時間後、列車は歴史都市アユタヤ駅に到着。ライトアップされた街の風景を車窓から眺めるのも夜行列車ならではの醍醐味です。
車内探検!設備チェック

車内照明は常時点灯(明るすぎるわけではない)遮光カーテンでしっかりガードできるが、気になる方は耳栓・アイマスク持参推奨!
食堂車も健在!

最近では日本では姿を消した食堂車もまだ健在。夜は22:30頃まで営業しているとのこと。今回は遅い時間だったため営業終了していましたが、次回はぜひ利用してみたいところ。
トイレ&洗面台も清潔!

気になる水回りですが、清潔感あり◎
トイレは水洗式で衛生的で、洗面台も各車両にあり、朝の支度も問題なしです。
乗ってみたけど高い満足度!
初めて乗車したバンコク〜ノンカーイ間の寝台特急。新型車両は快適そのもので、寝ながら目的地に移動できるこの利便性と旅情の両立は、他ではなかなか味わえません。
夜行列車で国境の街ノンカーイに到着

ノンカーイ駅に降り立つと、まず感じたのは「とても静か」という印象。エンジン音を除いて、駅構内はほぼ無音です。
駅自体は想像よりも小さく、有料トイレ・売店・チケット窓口がそれぞれ1~2か所あるのみ。しかし、この素朴な雰囲気がかえって心地よく、旅の余韻を引き立ててくれました。
ノンカーイ駅からラオス国境(タイ・ラオス友好橋)へのアクセス方法

現在、時刻は朝7時。早めにラオスへ入国すべく、駅の外へ。
駅前には多くのソンテウやトゥクトゥクが停車しており、国境(イミグレーション)までは主に以下の2つの手段があります。
A. ソンテウ・トゥクトゥクを利用(約50〜60バーツ)
駅前で直接交渉が可能で、価格も高くありません。
急いでいる方や荷物が多い方、暑さ・天候対策を重視する方におすすめ
B. 徒歩で移動(約15〜20分)
徒歩でも1Km程度なので、散歩がてら歩いてみるのも良いでしょう。
今回は「街の雰囲気を感じながら歩きたい」との思いから、徒歩で国境を目指しました。
実際に歩いてみると、道中は歩道の状態が良くない場所も多く、車のスピードも速いため注意が必要です。安全第一で進みましょう。
イミグレーション到着後の流れ(徒歩入場者向け)

- 案内標識に従って左側の歩道から入場
- 徒歩入場者専用レーンあり
- 入国審査後、ラオス側へ向かう準備を進めましょう
そこまで難しくないので、初めての陸路国境越えにタイとラオスの国境越えはもピッタリかもしれません。
鉄道×徒歩で国境越えの魅力
- バンコクからノンカーイまでの夜行列車は快適&情緒あり
- ノンカーイ駅は静かで素朴な雰囲気が魅力
- 国境までは徒歩も十分可能!安全には十分配慮を
- セブンやATMの位置など、徒歩移動者に便利なスポットも多い
旅のはじまりにふさわしい、心に残る移動体験となるでしょう。皆さんもお時間がある際にはタイの寝台列車で色々な場所を旅行してみて下さい。
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