イギリスに関する情報を調べていると、「イングランド」「イギリス」「ユナイテッドキングダム(UK)」「グレートブリテン」「北アイルランド」など、さまざまな名前や用語が登場します。
これらは実は、地理的・政治的に異なる意味を持つ言葉で、それぞれが指す地域や範囲が違うため、混乱しやすいポイントです。
この記事では、イギリスを構成する地域の違いや関係性をわかりやすく整理し、旅行前に押さえておきたい基礎知識としてまとめました。
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イギリス関連の地理・政治用語を正しく使い分ける

「イギリス」と一言で言っても、実際には複数の地理的・政治的な用語が存在し、混同されやすいのが現実です。本記事では、以下の5つの用語について詳しく解説します。
・イングランド(England)
・グレートブリテン(Great Britain)
・ユナイテッドキングダム(United Kingdom, UK)
・北アイルランド(Northern Ireland)
・イギリス(Britain)
1. イングランド(England)
イギリスを構成する国のひとつ。政治・経済・文化の中心地。歴史的建造物や有名大学が集中(ロンドン塔、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学など)しています。
ロンドン、バーミンガム、マンチェスターといった都市圏と、美しい田園地帯が共存しています。
▶ 基本情報
・地位:ユナイテッドキングダム(UK)を構成する4つの「国(country)」のひとつ
・首都:ロンドン(UK全体の首都でもある)
・人口:UKの総人口の約85%を占める
・公用語:英語(British English)
2. グレートブリテン(Great Britain)
イングランド・スコットランド・ウェールズの3地域が位置する「島」の名前。
「Great Britain」は地名であって国家の名称ではないので注意。「グレートブリテン島」とも呼ばれ、地図上の物理的な島の名前を指す場合も。
▶ 基本情報
・地理的定義:イングランド、スコットランド、ウェールズが存在する「島」を指す名称
・政治的意味:持たない(行政単位ではない)
・北アイルランドは含まれない
3. ユナイテッドキングダム(United Kingdom, UK)
正式には「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」。
イギリスという国の正式名称です。イギリス国王(現在はチャールズ3世)を国家元首とする立憲君主制です。
▶ 正式名称と構成
・正式名称(英語):The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
・構成する4つの「国(countries)
– イングランド(England)
– スコットランド(Scotland)
– ウェールズ(Wales)
– 北アイルランド(Northern Ireland)
4. 北アイルランド(Northern Ireland)
アイルランド島の北部に位置する、UKを構成する国のひとつ。歴史的にイギリスとアイルランドの関係が複雑で、宗教や政治対立が長く続いた地域です。
独自の文化と伝統を持ち、音楽や芸術も豊かです。1998年の「ベルファスト合意(Good Friday Agreement)」により、平和プロセスが進行しています。
▶ 正式名称と構成
・地理的位置:アイルランド島の北部(南部はアイルランド共和国)
・首都:ベルファスト(Belfast)
・人口:約190万
・言語:英語、アイルランド語(少数)
5. イギリス(Britain)
日本語で日常的に使われる呼び名。「UK」または「グレートブリテン」を指すことが多い。スポーツ大会(オリンピックなど)では「Great Britain」名義で出場する場合、北アイルランド出身者も含まれるケースが多い。
▶ 曖昧な用語のイギリス
「イギリス」は日本語における通称で、正式名称ではないので注意。会話やニュースなどでは、United Kingdom(UK)の意味で使われているケースが多い。
5つの用語の違いを整理
用語 | 説明 | 含まれる地域 | 政治的意味 |
---|---|---|---|
イングランド | UKを構成する国のひとつ | イングランド | あり |
グレートブリテン | 地理的な島の名称 | イングランド・スコットランド・ウェールズ | なし |
ユナイテッドキングダム(UK) | 1つの主権国家 | GB+北アイルランド | あり |
北アイルランド | UKを構成する国 | アイルランド島北部 | あり |
イギリス(Britain) | 日本語で使われる通称 | 文脈により異なる | 通称的意味 |
通貨とビザ制度

ユナイテッドキングダムの通貨とビザ制度について知っておきましょう。
・通貨
4つの国すべてで「ポンド・スターリング(GBP)」が使用されており、通貨に違いはありません。
・ビザ制度
イギリスは2025年1月より「ETA(電子渡航認証)」制度を導入。観光・短期滞在でも事前にオンライン申請が必要となります。
・ETA申請料:19ポンド
・有効期限:2年間(パスポート有効期限以内)
ETAに関する詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
\ イギリスのETAについて /
イギリス旅行をもっと楽しむために、知っておきたい基礎知識
「イギリス」「イングランド」「UK」「グレートブリテン」など、似ているようで異なる用語は、実は地理的・政治的に明確な違いがあります。
それぞれの意味や関係性、そしてイギリスを構成する4つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)について詳しくご紹介しました。
旅行をより深く楽しむためには、訪れる地域の文化や歴史的背景を知っておくことが大切です。イギリスは一つの国家でありながら、地域ごとに個性豊かな魅力があり、それぞれ異なる体験が待っています。
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