美しい街並み、美食、そして数々の歴史的建造物――イタリアは世界中の旅行者を魅了する憧れの地です。
しかし、旅を心から楽しむためには、現地の治安や観光客が遭遇しやすいトラブルについて事前に知っておくことが欠かせません。
特に人気の観光地では、スリや置き引きといった軽犯罪が日常的に発生しており、ちょっとした油断が被害につながることもあります。さらに、地域や時間帯によっては注意が必要なエリアも存在します。
本記事では、イタリア旅行中によくある犯罪の手口、避けたほうが良い場所、安全に過ごすための具体的な対策を詳しくご紹介します。正しい知識と準備を持って、安心・快適なイタリアの旅を満喫しましょう。
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イタリアの治安の現状

イタリアと聞くと、「スリや置き引きが多い」「夜は危ない」という印象を持つ人も少なくありません。確かに、観光客を狙った軽犯罪はヨーロッパの他の人気観光地同様、イタリアでも発生しています。
しかし近年、警察のパトロールや監視カメラの設置、観光地の安全対策が強化され、全体的な治安は改善傾向にあります。
ミラノ、ローマ、ナポリ、フィレンツェなどの主要都市では、観光名所や駅周辺で制服警官や観光警察(Polizia Turistica)の姿を頻繁に見かけるようになりました。これにより、昼間の観光は比較的安全に楽しめる環境が整っていますが、以下のようなポイントに注意しましょう。
1. スリ・置き引き

イタリアでは、観光客を狙ったスリが非常に多く、特に以下の場所は要注意です。
- ローマ:コロッセオ周辺、テルミニ駅、トレビの泉付近
- ミラノ:ドゥオーモ広場、ミラノ中央駅
- フィレンツェ:ドゥオーモ、ウフィツィ美術館前
- ベネチア:サンマルコ広場、リアルト橋
また、電車・バス・トラムはプロのスリが活動しやすい環境です。特に以下は危険度が高いとされています。
主な手口
- 集団で取り囲み、注意をそらして盗む
- 人混みで背後からバッグを開ける
- 置いた荷物を一瞬で持ち去る
対策
・バッグは必ず体の前で持つ
・リュックの場合は南京錠やワイヤーロックを活用
・人混みではポケットに財布やスマホを入れない
・カフェやレストランでは椅子の背もたれにバッグを掛けない
ATM利用時の注意

旅行中に現金が必要になることもありますが、路上のATMはスキミング被害や強盗のリスクがあります。
安全な利用方法
・銀行内やホテル内のATMを利用する
・暗証番号入力時は必ず手で覆う
・利用前後に周囲を確認し、不審者が近づいたら中止する
「親切を装う」詐欺

観光客を狙った典型的な手口として、以下が有名です。
・花やブレスレットを押し付ける
→ 受け取ると「お金を払え」と要求される
・写真撮影を申し出る
→ 撮影後に持ち去られる、またはチップを要求される
・道案内を装う
→ 最後に高額な謝礼を求められる
対策
・知らない人から物を受け取らない
・カメラやスマホは自分の手から離さない
・道案内は地図アプリやお店の人に頼む
夜間の治安と行動の注意点

日中は比較的安全な都市でも、夜遅くは状況が一変します。
特に夜23時以降は、以下のリスクが高まります。
- 強盗やひったくり
- 薬物絡みのトラブル
- 酔客との揉め事
安全な夜の過ごし方
人気のない通りや暗い路地は避ける
移動はタクシーや配車アプリ(Free Now・Uber)を利用
夜間の一人歩きは極力控える
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安全に旅行を楽しむためのまとめ
- 貴重品は最小限にし、体の前で管理
- 知らない人からの接触は避ける
- ATMや公共交通は慎重に利用
- 夜遅くは人通りの多い場所を選ぶ
- 事前に危険エリアを調べておく
イタリアは美しい街並み、世界遺産、美食と魅力にあふれた国です。軽犯罪の手口と対策を知っておけば、安心して観光を満喫できます。
イタリアでトラブルに遭った際にどうする?

イタリアで万が一、犯罪の被害に遭った場合は焦らずに落ち着いて手続きを進めて行きましょう。
以下にて犯罪に巻き込まれた際に重要な連絡先などをご紹介いたします。
警察・救急車・消防署:イタリアンの緊急連絡先一覧
機関 | 電話番号 |
---|---|
緊急通報 | 112 |
警察(国家警察) | 113 |
救急車 | 118 |
消防署 | 115 |
観光警察(ローマ) | +39-06-699-18910 |
上記の電話番号は緊急時の対応を依頼する際の連絡先となりますので、貴重品の紛失・盗難などでポリスレポートなどが欲しい場合には最寄りの警察署にいきましょう。
在イタリア日本国大使館へ相談
イタリアでトラブルがあった場合には、イタリア日本国大使館への連絡・相談が必要となり、大使館では、下記のようなサポートを受けることが可能です。
・帰国のための渡航書の発給:盗難や紛失によりパスポートが手元にない場合、総領事館にて「帰国のための渡航書」を発行してもらうことができます。この渡航書は日本への一時帰国に限り有効です。申請には、現地警察の「盗難証明書」が必要になるので、必ず警察署で届け出を行いましょう。
・現地情報や助言:必要に応じて、被害後の行動について適切なアドバイスを受けることができます。
在イタリア日本国大使館
・住所:Via Quintino Sella, 60, 00187 Roma RM, イタリア
・電話番号(代表):+3906487991
トラブル時の旅行保険の活用
旅行保険に加入している場合、被害に遭った際に保険会社に連絡することで、補償やサポートを受けることができます。特に盗難、病気、けがの場合は重要です。保険会社の緊急連絡先番号を事前に控え、英語での説明が難しい場合に備えて、日本語対応が可能かどうかも確認しておきましょう。
▶ 保険請求に必要な書類例
・被害届(警察発行の証明書)
・病院の診断書や領収書(医療補償の場合)
・紛失・盗難物のリストや購入証明書
その他の対応策
地元の友人やツアーガイドに相談
慣れない土地でのトラブルは孤立感を招きがちです。可能であれば地元に住む知人やツアーガイドに状況を相談し、現地でのサポートを受けるのもおすすめです。
クレジットカード会社への連絡
クレジットカードやデビットカードを盗まれた場合は、速やかにカード会社へ連絡して使用停止の手続きを行いましょう。盗難保険が付帯している場合、一定額の補償を受けられる場合もあります。
海外旅行ではスマホが重要!

海外旅行中、思わぬトラブルに遭遇する可能性は誰にでもあります。パスポートや荷物の紛失、体調不良、道に迷ったりと、さまざまなリスクがつきものです。
そんなときに頼りになるのが、手元にあるスマートフォンです。旅行中の安全対策としてスマホを最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
緊急時の連絡手段としてスマホを活用
スマホがあれば、緊急連絡先にすぐに電話やメッセージを送ることができます。事前に以下の情報をスマホに保存しておくと安心です。
・現地の緊急番号
・日本大使館や領事館の連絡先
・旅行保険会社の緊急連絡先
さらに、無料の通話アプリ(例:LINEやWhatsApp)を活用すれば、Wi-Fi環境やモバイル環境さえあれば通信費を抑えつつ迅速な対応が可能です。
GPSで迷子知らず
初めての土地では、迷子になるリスクがあります。スマホの地図アプリ(Google MapsやApple Mapsなど)を活用すれば、現在地の確認や目的地への最短ルートを瞬時に検索可能です。
オフラインマップを事前にダウンロードしておけば、通信環境が悪い場所でも安心です。
翻訳アプリで言葉の壁を克服
海外旅行中、言語が通じず困る場面は意外と多いものです。翻訳アプリ(Google翻訳やiTranslateなど)を使えば、簡単な会話や文章をその場で翻訳できます。
カメラ翻訳機能を使えば、メニューや看板の文字もすぐに理解できるため、トラブルを未然に防げます。
情報収集と共有がスムーズ
現地での観光情報や交通手段、緊急ニュースなど、必要な情報はスマホで簡単に検索できます。また、トラブルが発生した際、家族や友人に状況を共有してアドバイスをもらうことも可能です。
特に、現地の公式アプリやサービスを事前にインストールしておくと便利です。
配車アプリで移動もスムーズ
最近は海外旅行の際の安全な移動手段として、タクシーではなく配車アプリを利用する旅行者が増加しています。目的地にピンを立てて正確に立てられたり、価格もアプリで事前に分かるといメリットもありますが、一番はドライバーの身元が確かという点でしょう。
海外旅行の際には目的地で利用されている配車アプリをチェックしましょう。
モバイル決済で安全な支払いを
最近は観光客でも使えるモバイル決済サービスを取り入れる国も増えてきています。
現金を持ち歩くリスクを減らすため、スマホを使ったモバイル決済(Apple Pay、Google Pay、PayPalなど)を活用しましょう。特にスリや盗難が多い地域では、現金を最小限にしてスマホで支払うのが安全です。
・海外旅行が決まったら通信環境の準備を
スマホは単なる便利なガジェットではなく、海外旅行中の安全を守る強力なツールです。出発前には、現地のSIMカードやeSIMを用意して通信環境を整え、必要なアプリをインストールしておきましょう。スマホを上手に活用すれば、トラブルを最小限に抑えつつ、安心して旅行を楽しむことができます!